戒名料

葬儀関係の費用のなかで最もわかりにくいのが、御布施や戒名料です。

葬儀を取り仕切ってくれた僧侶に支払う金銭のことを御布施といいます。
御布施は読経や戒名に対するお礼で、お経料と戒名料が主なものになります。

御布施は本来、金額が決められているものではなく、遺族が支払える範囲で行うものです。また戒名をいただくことも売買の対象ではないので、値段がつく戒名料という呼び方はふさわしくありません。
最近は、主な宗派が加盟する全日本仏教会でも、戒名料という呼び方はしないと表明しています。

しかし実際の御布施の金額は、僧侶から「お気持ちで結構です」と言われても、まったく分からないのが現実です。

従来はお寺と檀家の関係が築かれていたため、檀家同士で御布施の相場が共有されていました。
しかし核家族化が進行するなかで菩提寺を持たない家族が急増し、それが崩れてきました。またお寺にしても、御布施の使い道や戒名の意義を積極的に説明してこなかったため、不透明感がより増大しています。

御布施の金額は、お寺との付き合いの程度や、寺院の格、地域などによっても異なります。
率直にお寺にお尋ねしても失礼にはあたりません。
「志で結構です」と言われた場合には、檀家の役員や葬儀社に相談するのがよいでしょう。大体の目安は分かると思います。

日本消費者協会の2007年版「葬儀についてのアンケート調査」の寺院費用(御布施)の全国平均は、54万9000円です。
宗派や寺院、地域によって異なりますが、戒名ランクによる御布施の一般的金額は、「信士・信女」で20万〜30万円、「居士・大姉」で30万〜50万円、「院号」で50万〜100万円といわれます。

よく院号を授かると後が大変で、お寺から寄付を要求されると言う人もいます。それはある意味当たり前のことです。
檀家というものはお寺を護持する責任を要求されますし、院号を授かるということは、それだけお寺の護持の責任を引き受けることになるのです。

御布施を納めるときに、「お金を取られる」と考えるのと「お寺を支えるために貢献する」と考えるのでは、お金を出す人の気持ちが大きく違います。

戒名料の問題は、お寺に対して一般の人が持つ不信感の最大の原因になっていますが、お寺の存続や、今後もお寺による供養を願うかどうか考えることも大切なことです。


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