なぜ戒名をつけるのか

【なぜ戒名をつけるのか】
現在では亡くなってから戒名が授けられるというのが一般的ですが、本来は生きている間に戒を受け、仏弟子としての生活を送ることが理想です。
実際に大半の寺院では、生前に戒名を授けること(生前戒名)を行っています。

仏式の葬儀では当然のことながら僧侶が式を取り仕切り、引導が死者に対して渡されます。「引導を渡す」といえば「縁切り」の代名詞のように使われていますが、俗世間から浄土へと引き導くことが引導の本来の意味です。

僧侶は亡くなった人を、葬儀を通じて仏の世界、すなわち悟りの世界の彼岸へと送り出します。
仏の世界に往くのに俗名のままでは行けないということで、死者に戒を授け戒名を付けることで極楽浄土へと送り出すわけです。

【年忌法要と位牌】
位牌が庶民の間に広がったのは江戸時代からで、直接的には檀家制度が位牌普及の原動力となりました。

檀家制度により檀家は檀那寺(所属寺院)が決められ、先祖供養を行うことが社会の仕組みとして指導されました。

この時代、先祖の年忌法要に僧侶を呼ぶことが広まり、その際の供養具として位牌は欠かせないものとなりました。

位牌が先祖供養の中心となった江戸時代中期には、庶民も高位の戒名を望むようになり、位牌を中心とした年忌法要と戒名の付与が、寺院経済を支える基盤ともなったのです。

また、社会制度が安定した江戸時代には家産が生まれ、家督相続の象徴が位牌となりました。葬儀の際の「位牌持ち」は、現在に至るまで家督相続者が担うことが多いです。


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